備忘録

 ふだん、自分は常にぼうっとしながら生きている、と思っている。けれど本当はなにかしらを考えながら、ひとつずつ選択し、多少なりの美学を持って生きているはずである。はずである、というよりは、そうであると信じたい。

 けれどどうしたって人間の「忘却」という性質は切り離せないものである。これによって私は過去の「うわっちょっと思い出したくないかも……」を記憶の彼方に追いやることもできるのだし、逆に「ふむふむ世界とはもしやこういうものなのかもしれない」というささやかな発見を失い、己はぼうっとした人間であるという認識に落ち着いてしまう事態にも陥っている。

 なので備忘録を始めることにした。未来の自分へ「おまえ、実はこんなことを考えながら生きてたんだぜ」という励ましを贈るために。ともすると黒歴史にもなり得るけれど、それを判断するのは未来の私なので、今を生きる私はとりあえず脳みそから思考を取り出し、ちょっとばかり成形しつつ、記録をとることにする。

 まずは、この投稿が、最初で最後のものにならないことを切に祈る。今のところ、その可能性はかなり大きい。